配信でお聞きいただいてます「アヴェ・マリア」の各曲解説を簡単に書いていこうと思いながら、なかなか進んでおりませんが、ゆるゆると書いていきますので、のんびりお付き合いいただければありがたいです。
今回は二曲目の「シューベルトのアヴェ・マリア(エレンの歌第3番)」です。

フランツ・ペーター・シューベルト(1797−1828)はオーストリアの作曲家で、数多くの歌曲や「未完成」と呼ばれている交響曲などの作品がよく知られています。1933年に作られた映画「未完成交響曲」もシューベルトを扱った作品として有名ですが、この映画のストーリーは完全にフィクションなので、史実との関連はありません。

話が逸れますけど、音楽家の伝記ものの映画ってなぜだか最初は貧乏でしたというところから始まるのが多いです。「未完成交響曲」もシューベルトが質屋にギターを持っていくところから始まりますね。
音楽史的にはロマン派の作曲家とされていますが、古典派からロマン派への扉を開く役割を果たした作曲家なのだと思います。

エレンの歌 第3番

シューベルトのアヴェ・マリアとして有名なこの曲は、宗教音楽として作曲されたものではありません。この曲の歌詞は19世紀に活躍したスコットランドの詩人・作家のウォルター・スコットによって書かれた叙事詩「湖上の美人(The Lady of the Lake)」(1810)をアダム・シュトルクがドイツ語訳したものを歌詞としています。曲の最初に”アヴェ・マリア”という言葉が現れるところから、シューベルトのアヴェ・マリアと呼ばれるようになりました。この曲の正式なタイトルは「エレンの歌第3番」なのですが、シューベルトのアヴェ・マリアといった方がわかりやすいかもしれないですね。
多くの作曲家が手がけている「アヴェ・マリア」は、宗教的な音楽でラテン語の祈祷文が歌詞となっているのですが、この曲は歌い出しの歌詞はアヴェ・マリアですが歌詞の内容は他の「アヴェ・マリア」とは異なったものになっています。

一曲目のグノーのアヴェ・マリアでもそうだったのですが、聞き慣れた名曲をアレンジするというのは、いろいろやってみても余計なことしているだけみたいな感じしかしなくて難しかったです。音色の作り方に注意して、あとは牧野さんの素敵な歌が引き立ちますようにと思いながらアレンジしました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です