アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)はチェコの作曲家で、チェコ国民楽派を代表する作曲家です。数多くの名曲を残していますが、「スラブ舞曲集」や「弦楽セレナード」九つの交響曲(第9番の「新世界より」は特によく知られていますね)、チェロ協奏曲など、今でも頻繁に演奏される曲がたくさんあります。

ドヴォルザークのアヴェ・マリアは、ラテン語の祈祷文によるもので、アルトもしくはバリトンの歌にオルガンの伴奏がつけられた形で作曲されています。

ドヴォルザークは1877年の夏、友人のアロイス・ゴブルとシシロフ城に滞在していたときにこの曲を書きました。彼はこの曲を妻のアンナに捧げ、アルト歌手だったアンナは城の礼拝堂でドヴォルザーク自身のオルガン伴奏でこの曲を初演しました。

プラハの楽団のヴィオラ奏者として貧しい生活を送っていたドヴォルザークは、この頃にブラームスから高い評価を受け、作曲家として輝かしいキャリアを歩み始めます。しかし、この「アヴェ・マリア」を作曲した直後に次女ルジェナと長男オタカルが相次いでこの世を去るという不幸に見舞われることになります。

ドヴォルザークの「アヴェ・マリア」はとてよく知られた曲ではありませんが、シンプルで素敵な曲です。とても有名な二曲のアヴェ・マリアからのストロークが少しあった方がいい感じがしたので、少し曲の冒頭部分に付け加えた形でアレンジしました。元のオルガンのパートをシンセサイザーというもっと様々な音色を出すことのできる楽器で演奏するようなつもりでアレンジしました。

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