ここ数年、大学で留学生の姿が目立つようになってきました。これまでに中国や台湾、韓国などからの学生さんが私が担当している授業を履修していました。今年度も、レッスンでは中国とアメリカから来ている学生を受け持っています。
日本の学生だけではなく、いろいろな国の若者と向き合うことができるのは、言葉の面では大変ですけれど、結構楽しいものです。
皆さん真面目に勉強してます。わざわざ遠くまでやってきて勉強しようという学生達ですから、ちゃんとした姿勢で取り組んでいるということもありますし、成績や出席率に問題があるとビザが更新できなくなったりするみたいですから、あんまりいい加減な感じにはならないです。
勉強する場所として日本を選ぶというのは、それぞれに違う理由なのだと思いますが、共通しているのは、日本という国に対して好感を持っているということと、「コスパがいい」と思われているという二点があるみたいです。
日本に対して好感を持つ理由は、音楽やマンガ・アニメ、ビデオゲームなどの日本の文化に興味があって、そこからというのが多いみたいです。インバウンドみたいなことでもそうなんでしょうけど、旅行先や留学先として日本を選ぶときには、その国独自の文化がきっかけになるのでしょう。
今の日本は治安も良くて街もきれいだし、自由が制限されるということもまだそんなに目に見えてあるわけではないですから、どんどん学費が高騰する国に住んでいたりすると、日本がとても「コスパがいい」という感じがするのはわかるような気がします。
ただ、最近日本で起きていることを見てると、こんなふうに「コスパがいい」って思ってもらえる状況もいつまで続くのやら、という感じですね。能狂言のような古典からマンガ・アニメに至るまで、日本独自の文化が大切に守られているようにも思えないですし、安全で小綺麗な状況もいつまで維持できるのか不安になるようなことばかり起きています。大学に対する締め付けも厳しくなってきて、経済的な事情を優先するために教育の質に影響が出てきているように感じることも増えてきています。ただ「安い」というだけでは「コスパがいい」とはならないのですから、ちょっと真面目に考えていかないと、そう遠くない将来には、どこの国の人にも見向きもされないようなことになるんじゃないかなぁ、なんて不安になってしまいます。