江戸の仇を長崎で、みたいな話なのかもしれないですけど…。
黒電話の話もそうなんですけど、昔自分が手に入れたかったものというのを何かのきっかけに思い出すことがあります。どのタイミングでこれを思い出したのかというのは不確かなのですが、そういえば高校生ぐらいの時に欲しかったんですよ、タイプライター。
その頃から私には実用性のあるものではないのです。英語の読み書きがちゃんとできるわけでもないですし。でも、機械式のタイプライターでパチパチやって文章を書く感じというのに憧れてました。大学の図書館にタイプ室というのがあって、お願いすると部屋とタイプライターを使えたので借りてみて、タイプライターってこんなものなんだぁ、って思いながらアルファベットを探し探し打っていたというのが私がタイプライターに触れたごくわずかな経験でした。
その後は特にタイプライターのことを思い出すこともなく、ルロイ・アンダーソンのタイプライターの曲を聞くことはあっても、タイプライターが欲しかったなんてことを思い出すことはありませんでした。QWERTY配列のキーボードにはコンピュータを使ううちに慣れてきて、それなりにブラインドタッチもできるようになり、そこそこのスピードではタイピングできるようになったんですけどね。
今回どうしてそのことを思い出したのかというのはよくわからないのですけど、そんなことがあったことを思い出して、ネットオークションを見てみたら、そんな値段でいいんですか?って思うような値段で出てたんですよ、昔欲しかったタイプライターが。
ブラザーのヤングエリートです。
もうそのネーミングがずいぶん古いです。ほとんど使われた形跡のないものが数千円で出てて、ちょっとびっくりです。
物価も変わっているし今タイプライターを実用品として求めている人もほとんどいないでしょうから、アンティーク的な価値でもなければ、そんな値段になるんでしょうね。これに限らず、これはこのぐらいの値段だったよね、というのが更新されていないということが年取ると増えてくるものですけどね。
無事落札しまして、送られてきました。多分以前の所有者は買ってはみたものの使うことがほとんどないまま、自宅デッドストック状態になっていたものなのでしょう。ちょっと埃っぽかったのを綺麗に掃除したら、ほぼ新品のようで、快適に打つことができるものでした。今となっては実用性はありませんけど、なんだか楽しいです。無駄に時間かけてスタジオの機材ケーブルのタグを作ってみたりしています。
この前の黒電話やタイプライターがあって、いつの時代の仕事場だかよくわからないようになってきてますが、なかなか快適ですよ。