memories of the air

memories of the air

memories of the air

ふとしたきっかけで、いきなり記憶がよみがえることがあります。

肌に感じる風の温度や湿り具合、遠くから漂ってくる匂い、かすかに聞こえる音楽の断片…。

そういったふんわりとしたものが、突然自分の中のどこかにあるスイッチをオンにすることがあって、そうなると普段は忘れていたことが、記録フィルムを見るように、次々とめどなく思い出されるのです。

少し色あせていますが、細かな所まではっきりと。

はっきり見えてはいても、それが実際に自分が経験したことを正しく再現しているかどうかは、よくわかりません。

私が見ているのは、記憶と想像がごちゃまぜになった、白日夢なのですから。

特に急ぎの用がないときに、そんな不確かな記憶に身を委ねるのも悪くありません。

それは時には穏やかで幸せなもので、時には淋しくて悲しげなものですが、そのあいだ場所も時間も今とは違うところへ、一瞬の旅に出ることができるのです。

そういった、思い出とも、体験とも、想像ともつかないようなものを、まとめてみました。

そんな、いちにちぶんの白日夢。なにもない午後のうたた寝のようにお楽しみください。